通信制高校でのSEL×PBLプログラムの実施

背 景

「1/1教育」を理念に掲げて、全国主要都市を中心に54キャンパス(2022年4月時点)を展開する通信制の高校である第一学院高等学校様から、「プロジェクト学習を3年間かけて全キャンパスへ浸透させたい」とご相談をいただき、取り組みがスタートしました。

より心理的安全性が重要だったり、基本的な教育に対して不安感を抱いていたりする生徒もいらっしゃるため、SEL的な土壌づくりが一層必要とされたのです。
これまでのティーチングを中心とした教科教育ではなく、「答えを与えるのではなく、信じて見守る」という方向性が重要視されました。具体的ポイントとしては、(1)指導型から伴走型への意識面の転換、(2)自己認識や他者共感といった先生の社会情動スキルの習得、(3)学習指導要領の「主体的・対話的で深い学び」の理念に即した教室の雰囲気・環境づくりといった3つが挙げられました。また、それらの変化を自分事として推進してもらう必要がありました。

取り組み

主に、先生向けの「SELをつかみ、自分自身や生徒との接し方を見つめなおす」リトリート研修、生徒向けの「SEL×PBLを1人称、2人称、3人称の順に学んでいく」カリキュラムの雛形設計、そして先生方が各自の現場に合わせて工夫し、知恵を共有できるようなラーニングコミュニティ作りを実施しています。

取り組みを通じて一貫して大事にしていることは、SELとPBLの体感を得てもらうことです。まずは必ず先生自身がSEL×PBLを体感した後に、学びの場のデザインに入ります。1年目は秋葉原と梅田のパイロットキャンパスからスタートし、2年目は10校から各2名ずつ参加してくださって対面で研修を実施。3年目は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、オンラインでの開催となりましたがより取り組みを広げることができました。4年目は未着手の2校も含めた、学院全体でSELの肝であるノンジャッジメンタルを体感してもらうワークをオンラインで行いました。

また、本年度の新たな取り組みとして、生徒がプロジェクト活動を進める上での根底にあたる自分の動機に立ち返る機会の創出や、活動後のリフレクションの場を先生方と一緒に作っていこうと考えています。

成 果

秋葉原キャンパスでは、キャンパス長を中心に、生徒自身の「自由」と生徒たちを受け入れる「受容」が重視されてきました。そして、実際に、一人ひとりがありのままでいることができる雰囲気が学校全体で育まれてきています。
また、「ないものを見て指摘や期待をするのではなく、目前の子どもたちがすでに持っているものを見て応援する」という空気感が生徒に伝わり、学院に対する安心安全な気持ちが生まれ、よい関係性が築かれ、結果的にキャンパスへ思い入れを感じてくれる生徒が増加しました。

rokuyouのアクション

  • 現状とニーズ(課題)を明らかにし、的確な目標とマイルストーンの設定するコンサルティング
  • PBL×SELを理解、体現するための研修の設計と実施
  • 教員向けPBLガイドラインの作成・配布
  • 年間のカリキュラム設計のサポート
  • 教員研修も兼ねた生徒向けワークショップの実施
  • そのほか必要な学校の年間イベントの設計(教員成果発表会、マイプロアワードなど)

お客様の声

竹下淳司様 (株)ウィザス取締役 第一学院高等学校副理事長

竹下 淳司 様

  • (株)ウィザス取締役
  • 第一学院高等学校副理事長

通信制の第一学院高校では様々な背景を持つ生徒に独自の意欲喚起教育(プラスサイクル指導)を通じた「成長実感型教育」を展開しております。 年々多様なニーズの生徒が増え、従来型の教科指導だけでは限界もあり、未来社会に生きる生徒達に今後必要になる非認知スキル・ソフトスキル養成を軸に3年前から通学コースを生徒の主体的な学びに切り替える方向性を打ち出しました。
ICTによる生徒1人ひとりのニーズに応じた個別最適化・自立型学習と1人ひとりが仲間たちとの共創による学びの「プロジェクト型学習(PBL)」の2つの学習形態を軸に転換を図っております。
ご縁で roku you様から PBLのより効果性を高めるためにSELの概念をご紹介いただき、SELによる学びが多様性を持つ生徒の成長段階に応じた1人称・2人称・3人称と表される自分自身の課題の向き合いから社会課題まで視野を段階的に拡げていくステップになり、第一学院の「成長実感型教育」との親和性も高く、多くの生徒達の成長度を加速することに繋がっています。
また、roku you様とのプロジェクトにより多くの教員のグロースマインドセットにも繋がり、新たな第一学院の教育構築に貢献いただき感謝しております。

プロジェクト関係者からの一言

町塚 俊介

町塚 俊介

  • rokuyou ラーニングクリエイター
  • rokuyou academia ディレクター

プロジェクトを通じながら成長や変化をお互いに共有しあっていける関係値は宝物だなと思っています。rokuyouとしても体制が変化し、新しいメンバーが入ることはチャレンジでもあると思っているので、挑戦や変化、成長を内側で共有できるのはすごくありがたいです。それが「1/1」の絶対的な信頼感の理念に一貫しているものと、ビジョンを共有している感覚から一緒にできることは本当にありがたいことだと思っているので感謝の気持ちでいっぱいですし、これからもよろしくお願いします。

プロジェクト詳細

期 間 4年間
インパクト 全国37キャンパス/生徒7,000名が受ける PBL×SEL のカリキュラムの作成
関わった人数 ①rokuyou:2名、 ②先方プロジェクトチーム:5名+現場チーム3名程度、 ③研修を受けた先生の数:35名/年

プロジェクトに関わったメンバー

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